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Xの利用規約改定を分かりやすく解説|2026年1月15日の5つの変更点

2026年1月15日、Xの利用規約とプライバシーポリシーが改定されました。改定があったこと自体、知らなかった人も多いのではないでしょうか。知らなくてもXは使えますが、知っていれば避けられるリスクがあります。5つの変更点を順番に見ていきます。

実は2026年1月15日よりXの利用規約が改定されています

結論から言うと、大きく変わった箇所はありません。

ほとんどが文言の更新や補足です。ただし1つだけ、普段Xを使っている人が知っておくべき変更があります。AIへの入力と生成物がユーザーの責任として明記された点です。そこを中心に解説します。

そもそも改定に気づいていましたか

2025年12月17日、Xにこんなポップアップが出ていました。重要な変更がある時に表示される案内です。

Xアプリに表示された「Xの利用規約とプライバシーポリシーの改定について」のポップアップ
改定の案内はアプリ内にも表示されます。これを読んだ上で使い続けた時点で、規約に同意したことになります。

とはいえ、規約の文書はどうしても読みづらいものです。実際にアンケートを取ったところ、改定を知っていた人は約半数でした。読まずにOKを押した人が大半だと思います。

今回変わった5つの項目

X公式のヘルプページに、変更点の要約が公開されています。

X公式ヘルプの「利用規約とプライバシーポリシーの改定」ページ。準拠法と紛争、執行規定の改定、ユーザーコンテンツの責任と制限、年齢保証に関する考慮事項、Xサービスに関する説明の5項目が並んでいる
公式ヘルプ「利用規約とプライバシーポリシーの改定」より。挙げられている変更点は5つです。
  1. 準拠法と紛争解決
  2. 執行規定
  3. ユーザーコンテンツの責任
  4. 年齢保証に関する考慮事項
  5. Xサービスに関する説明

前回の利用規約の改定は2024年11月15日、プライバシーポリシーは2025年7月28日でした。頻度が高いように見えますが、AIの進歩とそれに伴う法整備の動きが早いためで、実態に文言を合わせる作業が続いている、と考えるのが自然です。

1. 準拠法と紛争解決

Xとユーザーの間で裁判になった場合、どこの法律で、どこの裁判所で争うかというルールです。普通に使っている分には関係ありません。

「Xと争う場合はテキサス」という部分は従来どおりです。今回の変更は次の2点です。

  • このルールが、これから起きる訴訟だけでなく現在進行中の訴訟にも適用されることが明確化された
  • EU・EFTA加盟国・英国以外に住むユーザー向けに、法的請求を開始できる期間(原則1年以内、州法によっては2年以内)の詳細が追加された

よくある誤解:ユーザー同士の争いもテキサス法になる、というのは誤りです。

この条項はXとユーザーの間の話です。ユーザー間の係争には現地法が適用されるのが大原則で、日本では情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)も関係してきます。他のユーザーの規約違反は、X の報告フォームから削除依頼を出すのが筋です。

2. 執行規定

EUやイギリスの法律に合わせるための変更です。これまでは「違法なコンテンツ」が削除対象でしたが、これらの地域の法律で有害・安全でないとみなされるコンテンツ(摂食障害を助長するもの、いじめなど)も削除対象になる場合がある、という説明が追加されました。

日本のユーザーに直接関係する変更ではありません。ただ、この種の投稿を避けた方がよいのは言うまでもありません。

3. ユーザーコンテンツの責任|ここが一番重要

今回、普段Xを使う人にとって一番大事なのがここです。AIへの入力と生成物が、ユーザーの責任として明記されました。

旧規約と新規約を並べて見る

実際の条文で見比べてみます。改定前の利用規約現行の利用規約は、どちらも公式サイトで読めます。

まず改定前の文面です。責任の対象は「提供するコンテンツ」でした。ポストや画像を指します。

改定前の利用規約 第3項。本サービスの利用および自身が提供するコンテンツに対して責任を負う、と書かれている
改定前。責任の範囲は「提供するコンテンツ」でした。

こちらが改定後です。「入力、プロンプト、出力、および/または情報」が加わっています。

改定後の利用規約 第3項。取得または作成された入力、プロンプト、出力、および情報を含むコンテンツについて責任を負う、と書かれている
改定後。AIへの入力と、AIが出した結果まで責任の範囲に含まれることが明示されました。

具体的に言えば、Grokが著作権を侵害する画像やヘイトスピーチにあたる文章を生成し、それを投稿してしまった場合、「Grokが作ったものだから」という言い訳は通らないということです。

もっとも、これは以前からそうでした。今回それが条文として明確になった、という位置づけです。

禁止事項にジェイルブレイクが追加された

もう1つ、禁止事項に項目が加わりました。安全機能やプラットフォーム制御を、ジェイルブレイク、プロンプト操作、プロンプトインジェクションなどによって回避・操作・無効化しようとする行為です。

改定後の利用規約「本サービスの悪用」の項目。ジェイルブレイク、プロンプト操作、プロンプトインジェクションによる回避行為が禁止事項として追加されている
「本サービスの悪用」に追加された項目。(iv)の部分です。

用語の意味を整理しておきます。

用語意味
ジェイルブレイクAIの内部制限を解除し、通常は出力されない内容を強引に引き出す行為。スマホの脱獄と同じ発想です。
プロンプト操作巧妙な入力でAIを誘導し、制限を回避させる手法。「これはゲームだから」と前置きするような形です。
プロンプトインジェクション入力に悪意ある命令を仕込み、AIの動作を乗っ取ったり誤作動させたりする攻撃。

重要なのは、生成物を投稿しなくても、Grokに入力した時点で対象になり得るという点です。凍結のリスクがあります。

なお、この条文は年末年始に話題になったGrokの画像編集の件より前に公開されていたものです。あの件を受けた追記ではありません。

4. 年齢保証に関する考慮事項

未成年の保護や法令遵守のために、Xが年齢を推定・確認する場合がある、という記述がプライバシーポリシーに追加されました。

オーストラリアで施行された16歳未満のSNS禁止法のような、各国の年齢規制の流れに対応するための準備と考えられます。日本でも同様の議論が出てくる可能性はあります。

5. Xサービスに関する説明

規約内にあるプロダクトや機能の説明文を、現在のサービス実態に合わせて書き直したものです。文言の整理が中心で、影響は小さい項目です。

ただ、1つ面白い動きがあります。プライバシーポリシーに「Twitter」という名称が大幅に増えました。利用規約にも次の記述が入っています。

改定後の利用規約。X名またはTwitter名、XまたはTwitterの商標、ロゴ、ドメイン名などを使用する権利を付与するものではない、と書かれている
改定後。「X名またはTwitter名」という表現が入りました。

改定前は次のとおりで、Twitterへの言及がありません。(現行のプライバシーポリシー / 改定前のプライバシーポリシー

改定前の利用規約の同じ箇所。Twitterの名称への言及がない
改定前。

ブランド名はXに変えたものの、法的な文書の中では「Twitter」の権利をあらためて明記して守りを固めた、という読み方ができます。他社がTwitterの名称を使おうとする動きへの備えではないか、というのが私の見方です。ここは推測です。

結局、何に気をつければいいのか

ユーザー側で何かを変える必要は基本的にありません。ただし、次の2つは頭に入れておいてください。

  • AIが生成したものを投稿する時は、内容に責任を持つ。著作権や権利関係が怪しいものは投稿しない。
  • Grokの制限を回避しようとしない。投稿しなくても、入力した時点でリスクがあります。

意図せず規約違反になってしまうことは、AIを使っていると起こり得ます。「知らなかった」で済まない領域が広がった、という理解でよいと思います。

Xの取り締まりが実際にどう強化されているかは、エンゲージメントファーミングは90日3回で収益停止Xが進める「人間らしさ」と「透明性」にまとめています。規約とあわせて読むと、Xがどこへ向かっているかが見えてきます。