エンゲージメントファーミングは90日3回で収益停止|Grok検知とスリーストライク制度
2026年7月19日、収益停止と凍結が相次ぎました。数万フォロワーを持つ大手アカウントの凍結もいくつか確認しています。対象になったのは、いいねやリプライを誘発する投稿を続けていたアカウントです。何が変わったのかを整理します。
この記事には推測が含まれます。
Xが公開している情報と、実際に観測できた範囲をもとに組み立てています。判定の内部処理はブラックボックスなので、流れの部分は「おそらくこうだろう」という予想として読んでください。誤検知の可能性もあります。
何が起きたのか
7月19日時点で、かなりの数の収益停止と凍結が発生しました。特徴的だったのは、これまでペナルティを受けていなかったアカウントが対象になったことです。明確にエンゲージメントファーミングをしていながら何事もなかったアカウントも、今回は凍結されています。
フォロワー数の多さは関係ありませんでした。数万フォロワーの大手でも止まっています。
引き金:Grokによる検知強化とスリーストライク制度
7月17日のNikita Bier氏の投稿に、今回の変化が書かれています。クリエイター収益配分プログラムのアップデートとして、Grokによる検知の強化と、違反回数によるペナルティが説明されました。
クリエイター収益配分プログラムのアップデートに関する投稿(Grokによる検知強化とペナルティについて)
— Nikita Bier (@nikitabier) July 17, 2026
要点はこうです。「返信した人を全員フォローします」のようなエンゲージメントを誘発する行為を3回以上行うと、プログラムから削除され、アカウントがポリシーチームへ送られ、サスペンドされる可能性がある。そしてGrokがこれらを検知するようになった、と書かれています。
これまでは、収益停止になっても凍結までは至らないケースが多くありました。今後は収益停止がそのままアカウント審査につながり、場合によっては凍結まで進むということです。
「3回」の数え方は90日間
この3回がどの期間で数えられるのかについても、続く投稿で示されています。90日間に3回以上。そして評価の精度は人間のエージェントよりも高い、とされています。
違反回数の数え方と、評価の精度についての補足
— Nikita Bier (@nikitabier) July 17, 2026
ここで強調しておきたいことがあります。「3回まではOK」という意味ではありません。後述しますが、判定には誤検知も混じります。3回という枠は、誤検知で即アウトにならないための緩衝材と考えた方が実態に近いはずです。
過去に遡って見られている
さらに、この検知は「これから」だけを見ているわけではありません。7月18日の投稿では、あるアカウントについて今年の初めからの投稿を数え上げた指摘が出ています。90日どころではない範囲です。
年初まで遡って投稿を数え上げ、エンゲージメント機能の誤用を指摘した投稿
— Nikita Bier (@nikitabier) July 18, 2026
同じことが他のアカウントにも行われていると考えるのが自然です。「昔のことだから大丈夫」は通用しません。
規約が変わったのではなく、執行が自動化された
ここが今回いちばん大事な点だと思っています。禁止事項そのものは以前からありました。変わったのは、それを見つけて処理する仕組みの方です。
2024年にイーロン・マスク氏が同様の方針に言及していた投稿があります。当時は宣言にとどまっていましたが、それが実際に動き始めた形です。
Nikita氏も、少し前に公開サスペンドの狙いについて述べています。プラットフォームの規範と期待を確立するために現在は公開で行っているが、いずれ自動化するという内容です。
公開サスペンドの狙いと、将来的な自動化についての投稿
— Nikita Bier (@nikitabier) July 2026
つまり、監視と処理の体制が整い、自動的に収益停止や凍結が走るようになった。これが実態だと考えています。
兆候はあった:報告フォームのデフォルトチェック
実は、Grokによる検知が動き始めている兆候は見えていました。ポストのメニューから「ポストを報告する」を選んだ時、報告理由の「スパム」に最初からチェックが入っていることがあります。
明らかなエンゲージメントファーミングのポストでは、このチェックが付いていることが多い状態でした。一方で、1か月ほど前までは、エンゲージメントファーミングへの注意喚起をしている私の投稿にもチェックが入ることがありました。おそらく当時は特定のワードに反応していたのだと思います。最近そうしたことはほぼなくなり、単語だけでなく投稿全体の文脈を見て判定しているように変わってきています。
精度が少しずつ上がり、実用に耐えると判断されたタイミングで投入された。今回の一斉処理はそういうことだろう、というのが私の予想です。
セルフチェックのやり方
自分の投稿にこのフラグが付いているかは、確認できます。自分の投稿は自分では報告できないため、別アカウントから自分のポストの報告メニューを開く方法になります。心配な人は試してみてください。私も定期的に確認しています。
ただし、チェックが入っている=即ストライク、ではないと考えています。これは「スパムかもしれない」というフラグに近いものでしょう。とはいえ、デフォルトでスパムが入っている投稿は消しておいた方が安全です。
判定までの流れ(予想)
内部処理は公開されていないので確認しようがありませんが、観測できる範囲から組み立てると、次のような順序ではないかと考えています。
- Grokがポストに「スパムかもしれない」フラグを立てる
- より詳しく審査される。他のユーザーからの報告が重なることで、実際にスパムと判定されてワンストライク
- 90日以内にスリーストライクに達すると収益停止
- 収益停止になったアカウントは、過去に遡って投稿をチェックされる
- エンゲージメントファーミングを繰り返していると判定されると凍結
フラグが立っただけでワンストライクだとすると厳しすぎる、という希望的観測も混じっています。断定はできません。
「アカウントパワー」は意味をなさなくなった
今回いちばん強く感じたのはこれです。フォロワー数を積み上げていれば見逃される、という前提が崩れました。数万フォロワーの大手でも、繰り返していれば凍結されています。
「今までは大丈夫だった」は、もう根拠になりません。
やるべきことはシンプル
難しい対策は要りません。次の2つを避けるだけで、リスクは大きく下がります。
- 直接的にエンゲージメントを求めない。「いいねしたら」「リポストで」「返信した人を全員フォロー」といった誘導をしない。
- そういう企画に参加しない。自分が主催していなくても、参加した投稿は自分のポストとして残ります。
フォローやリプライをもらうこと自体が目的のコンテンツにしない、という一点に尽きます。反応は、投稿の中身の結果として付いてくるものです。自分のポストを磨いて、自然に反応してもらえるアカウントを目指す方が、結局は近道になります。
実際に「ロックオン」から凍結までが公開でたどれた事例もあります。どういう投稿が対象になり、どんな順序で進んだのかはAllegra氏の「ロックオン」から凍結までで追えます。
この流れはいつ始まったのか
今回の措置は急に決まったものではありません。2026年2月の時点で、Xの製品責任者が「人間らしさ」と「透明性」を守るという方針を出しています。AI生成コンテンツのラベルや有料プロモーションの開示も、その流れの一部です。背景はXが進める「人間らしさ」と「透明性」にまとめています。
収益が出なかった人へ
今回の凍結祭りとは別に、凍結も収益停止もされていないのに支払いが0だったケースもあります。そちらは原因が異なる可能性があるため、認証済みインプは十分なのに収益が出ないで、使い回しコンテンツとサイレント収益停止の2つの角度から整理しています。
まずは自分の数字を確認するところからです。対象スパンと認証済みインプが実際にどうだったかは、締め日集計ツールと認証済みインプ集計ツールで出せます。
ふくふく文鳥